義歯|大田区池上の歯医者・歯科|いけむら歯科クリニック

いけむら歯科クリニック

〒146-0082 東京都大田区池上7丁目6-8

03-3751-3122

メインメニューを開く

義歯

義歯治療

他の治療法と同様に、取り外し式の義歯、いわゆる入れ歯にもメリット・デメリットがあります。しかし、デメリットの部分が強調されすぎているような気がします。そして、保険でできる義歯と、保険の制約がなく自由に設計できる義歯があることも、話が複雑になる原因になっています。
まず、無くなった歯が1~2本の場合、義歯を入れることでかみ合わせや歯の位置を変化させないという意味はありますが、はめているとかみやすいといった実感は得られないと思います。ところが、失った本数が多くなってくると、取り外しの義歯にはメリットが多くなってきます。比較的安価に外見を改善でき、きちんと調整すれば外したときよりもかめるようになります。
それでも入れ歯が嫌われる理由には次のようなことがあります。

・異物感がある
・歯茎が痛くなる
・ばねが見える
・物が挟まる
・食べ物が端にたまる
・壊れる
・歯が抜けて使えなくなる
・高価である

では、私たちは歯科医師としてこの問題にいかに対処できるかお答えしていきます。
その前に、保険でできる義歯とはどのようなものかのご説明が必要です。
歯科医院に行くと「これは保険でできる」とか「保険でできない」とか説明されて混乱されると思います。最低限のものは保険に入っているのですが、その最低限というものがもはや最低限にもならないということもあります。保険の入れ歯は、ほとんどの部分がプラスチックでできていて、昭和三十年代に導入されて以来ほとんど変わっていません。そして費用も低く抑えられているのです。今では、義歯を外部の歯科技工士にお願いして作ると赤字になってしまいます。そこで、当院では比較的簡単なところを歯科医師自身で行う等の工夫をして、何とか赤字幅を小さくして保険の義歯を作っているのが現状です。それでも保険医を標榜している限りお引き受けする義務もありますし、難しいことに挑戦しようという気概もありますので続けていこうと思っています。話が少しそれましたが、保険の義歯とは、使える材料に制限があり、良かれと思って工夫すればそれがすべて歯科医院側の持ち出しとなり、ある一定の条件を超えてしまうとそもそも適応されなくなってしまうものなのです。

異物感について

義歯の中で歯を補っている部分は、形さえ間違わなければあまり異物感が出ません。それ以外の、義歯が外れないようにする装置やつなげている部分は、歯や歯茎をおおうので異物感が出てしまいます。しかも、保険の義歯ではプラスチックでおおうので、強度をとるためにある程度厚くなってしまいます。特に上のあごの前の方をおおう場合に顕著で、異物感だけでなくしゃべり方にも影響が出てしまいます。それに対して、保険外の義歯では金属を使って薄くすることができます。また、設計に自由度が増し、部分的にくりぬいたりすることも可能です。さらに、プラスチックに比べ金属はぬれがいいので、乾いた感じが出にくくなり、異物感をあまり与えません。温度を伝えやすいことも、異物感を少なくすることに役立っているようです。

歯茎が痛くなる

義歯の場合、出来上がってからの調整が必要になってしまいます。これは歯茎の粘膜が軟らかく、使っているうちにわずかに沈んでいくためで、いくら最初に調整しておいても、骨が出っ張っていて歯茎が薄いところなどが圧迫され痛みが出てしまうのです。ですから、使いながら調整していくということがどうしても必要になってしまいます。また、保険の義歯の場合は変形量の大きい、昔からある材料で型どりするので、その変形の調整から始まることになります。さらに、弱いばねで固定するので入れ歯の動く量が大きくなり、これに対する調整も必要です。一方保険外の義歯では、変形量の小さい高価な材料を使うことができるため、製作過程での誤差の調整があまりいらなくなります。また、しっかりしたばねを使えるので義歯自体の動きが小さくなり、調整の量も減ります。つまり、出来上がってからの調整も楽になります。

ばねが見える

はめた義歯を安定させるために、保険の義歯の場合はどうしてもばねが必要になります。工夫次第では見えにくくする方法もありますが、限界はあります。 保険外の義歯では、いろいろな工夫をすることが可能です。歯茎と同じ色の軟らかいプラスチックを使って義歯を動かないようにし、金属のばねをかけない方法もあります。ばねをかけたい歯まで手をつけていいのであれば、その歯と義歯の金具がはまり込むような装置をつけるようにして、ばねのない義歯にすることもできます。

物が挟まる

物が挟まるのはばねが弱いためで、保険の義歯の場合は限界があります。ばねの数を増やすことで改善できることもありますが、見え方を犠牲にしてしまうことにもなり、その辺りのバランスを考えて設計する必要が出てきます。保険外の義歯では、チタンや金合金を使っていれば後からのばねのきつさも多少調整できます。コバルトクロムも硬い金属で義歯のフレームによく使われましたが、ばねに使うと硬いため、後から力を加えると数年後に折れることがありました。また、アレルギーの問題もあり、最近ではアレルギーの出にくいチタンをお勧めしています。

端に物がたまる

強度のこともあってピンク色のプラスチックの部分は厚みが出てしまいます。また、プラスチックは吸水性があるので物がくっつきやすく、そのために端の段差の部分に物がたまってしまいます。ある程度は仕方ないのですが、保険外の義歯の場合は歯茎の見えない部分で端を金属で薄く作り、物がたまりにくくすることができます。また、異物感を少なくするために義歯の歯茎の部分を小さくしすぎてしまうと、その足りない部分に物がたまってしまいます。必要十分な形態にすることで改善することがあります。

壊れる

義歯の調整ができてかめるようになると、大きな力がかかるようになり、プラスチックだけでできている部分は割れてしまうことがあります。昔、先輩に、「義歯が壊れるのはかめている証拠」と言われたことがありますが、患者さまのほうはそんな悠長なことを言っていられません。そして、割れにくいように厚みを持たせても、異物感が大きくなってしまうため限界があります。この場合、保険外の義歯であれば、歯肉に見せなければいけない部分だけプラスチックにして、フレームやばねをつなぐ部分を金属にすることによって破折を防ぐことができます。ただ、それでもごくまれに金属にひびが入ることがあり、かむ力の大きさに驚かされることがあります。

歯が抜けて使えなくなる

大抵の場合、残っている歯にばねをかけて、義歯を動きにくくします。しかし、ばねをかけられる歯のほうから見ると、つかまれてかむたびに揺さぶられるように力がかかります。そのために時間とともにその歯がぐらつくようになり、やがて抜けてしまうことがあります。これを防ぐには、義歯の動きを少なくする必要があります。具体的には、たわまないような金属のフレームにしたり、ばねのかけ方を工夫して、歯にかかる力が歯を揺さぶりにくくしたりするよう設計するという方法があります。また、あらかじめ抜けそうな歯を予想して、抜けても修理すれば使えるように設計しておくということも、特に保険外の義歯の場合は考えています。

高価である

保険の義歯の場合はあまり費用がかかりませんが、義歯が壊れたり歯が抜けたりして、作り直すということがどうしても起きてしまいます。一方、保険外の義歯では保険の義歯に比べてある程度費用がかかってしまいます。しかし、失った歯の本数が多い場合、インプラントであれば何百万円もする症例でも、インプラント1、2本分くらいの費用で割合とかめる義歯ができるようになります。また、プラスチックの部分だけでなく、金属の部分も修理できますし、保険の義歯よりも残っている歯を失いにくいので、一度作っておけば、大抵の場合、修理しながら10年以上使えるようになります。長い目で見た場合、最初にかかる費用は多くても、歯を失いにくくてよくかめるのであれば、それほど高いとは言えないのではないでしょうか。

以上、入れ歯について一般の方には分かりにくいことを解説してみました。ご参考になればと思います。